童謡の中の物語

音楽
6月といえば、雨。

この季節にふと思い浮かんだのが、「あめふりくまのこ」です。
物語になっていて、かわいくて楽しい曲ですよね。

まるで絵本をめくっているような気持ちになります。

雨の中、くまのこが川の水をじっと見つめて、さかながいるかどうかをのぞきこんだり、手ですくった水を飲んだり。
そんな様子がとてもかわいらしくて、自然の中で遊ぶ子どものような無邪気さが伝わってきます。

メロディもやさしくて耳に心地よく、何度聴いても飽きません。
小さな冒険のお話としても、情景の美しさとしても、本当に味わい深い童謡だと思います。

物語になっている童謡といえば、「子守歌」(團伊玖磨作曲)も外せません。

こちらも、まるで短い物語のように情景が浮かび、とてもやさしい気持ちにさせてくれます。

親子の会話になっている歌詞は、「ねんねんころりよ」のような昔ながらの子守歌とは少しちがって、どこかユーモアも感じられる親しみやすさがあります。
歌詞のなかに描かれる小さな物語も、あたたかくて、ほっとするんですよね。

團伊玖磨さんらしい繊細なメロディと和音の動きも印象的で、静かだけれど豊かな広がりがあり、まさに“情景を包みこむような音楽”。
やさしく語りかけながら、少しおちゃめな表情を見せてくれるのも魅力です。

 

物語性のある童謡って、聴く人の心に残りやすくて、子どもはもちろん、大人にも深く響くものが多いですよね。

自分が曲を作るとしたら、こんな世界を目指したいと思っているのです。

物語があったり、誰かとの会話があったり。
そんな音楽は、聴く人の想像力をふくらませて、わくわくしたり、ちょっとハラハラしたり…心が動きます。

そして何より、そんな物語の世界にひたれるような、心と時間の余白を大切にしていたいなと、あらためて思うのです。

 

 

 

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