夏の終わりに聴きたい「亡き王女のためのパヴァーヌ」

音楽

まだまだ暑い日が続いていますが、気がつくと日暮れが早くなってきました。
田んぼの稲もすっかり背を伸ばし、穂が風にゆれる姿が見られるようになりました。
あの賑やかで眩しい夏の日々が、少しずつ遠ざかっていくのを感じます。

そんな、ほっとひと息つきたくなる夕暮れに、ゆっくり耳を傾けたくなる曲をご紹介します。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」

「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、モーリス・ラヴェルが1899年に作曲したピアノ曲です。

モーリス・ラヴェルについてはこちらでも触れています。

のちにラヴェル自身の手でオーケストラ版にも編曲されました。
ゆったりと流れる、美しく穏やかな旋律が、聴く人の心をやさしく包み込みます。

ちなみに「パヴァーヌ」とは、16〜17世紀のヨーロッパ宮廷で踊られていた舞踏のことです。
テンポはゆるやかで、二拍子系のリズムに合わせ、男女が列を作って荘重に進む姿はとても優雅です。
舞踏会の始まりを告げる儀式的な踊りとして演奏されることが多く、同時代の軽やかな三拍子舞曲(ガイヤルドやサルタレッロ)と組み合わせられることもありました。

賑やかで元気いっぱいの夏が終わりに近づき、少し落ち着いた空気の中に、どこか疲れの残ったような感覚が漂う――そんな今の季節に、この曲のゆるやかで優しい響きは、しみじみと心に寄り添ってくれるように感じます。

この曲は、吹奏楽バージョンでもよく演奏されます。
ピアノのしっとりとした響きも、オーケストラの豊かな広がりも、吹奏楽ならではの温かみのある音色も、それぞれに趣きがあります。
同じ曲でも編成によって表情が変わり、いろんな楽しみ方ができるのも、この曲の魅力ですね。

 

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