中学生のころ、合唱部で伴奏をした曲のひとつに「海はなかった」があります。
この曲は前奏から独特で、初めて楽譜を開いたときに「ほかの合唱曲とはちょっと違うな」と強く印象に残りました。
「海はなかった」は、作詞・岩間芳樹、作曲・廣瀬量平による合唱曲で、1975年のNHK全国学校音楽コンクール高等学校の部の課題曲です。
混声合唱組曲「海の詩(うた)」の第1曲目で、後に同組曲として全5楽章が作られています。
当時の私は、人に頼るのが苦手で、迷惑をかけてしまうのでは…と考えてしまうところがありました。
ピアノの先生に頼ってアドバイスをもらえばよかったのに、自分なりに弾いてしまっていたのです。
今思うと、それは少しもったいなかったなと感じます。
もしあの頃、もっと素直に人に頼れていたら、より深く表現できたのかもしれません。
後になって、子どもの中学の校内合唱コンクールで「海はなかった」を歌ったクラスがありました。
そのときの伴奏がとても素晴らしく、曲の世界観をしっかり支えていて、本当に感動しました。
「すごいなあ、こういう演奏ができるんだ」と、昔の自分を思い出しながら聴いていました。
あのころの経験は今の私の音楽にもつながっています。
伴奏というのはただ音を弾くことではなく、歌と寄り添い、全体の音楽を一緒に作る大切な役割なのだと感じています。
「海はなかった」は、今でももう一度向き合ってみたい曲のひとつになっています。
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