パッヘルベルの「カノン」を作った人はどんな人?
パッヘルベルの「カノン」(YouTube)は、聴いたことがない人はいないくらい有名です。
聞き心地がよく、落ち着く気持ちになります。
そんな「カノン」を作ったパッヘルベルがどんな人だったのか、ご紹介していきます。
◆ パッヘルベルは、堅実で誠実な“教会の音楽家”
ヨハン・パッヘルベル(1653–1706)は、バロック時代のドイツで活躍した作曲家です。
派手なタイプではありませんが、教会音楽と鍵盤音楽に強い、誠実な職人肌の人物でした。
若い頃から才能を認められ、ニュルンベルク、ウィーン、エアフルトなどの教会でオルガニストとして働きながら、日々の礼拝のために音楽を書き続けていました。
パッヘルベルは、華やかな舞台で名声を求めるタイプではなく、生活と音楽がひとつになった、静かな職人。
必要とされる場に寄り添い、そこで美しい音楽を提供する──
そんな姿勢の人だったと言われています。
◆ 実は「カノン」は後から人気が爆発した曲
今では定番の「カノン」ですが、バロック時代にはそれほど有名だったわけではありません。
この曲が世界的に知られるようになったのは、1970年代に録音がヒットし、映画やCMで使われてから。
つまり「カノン」は後世で再発見された“遅咲きの名曲”なのです。
それでも、あれほど人を惹きつけるのは理由があります。
• 同じ進行が繰り返されて安心感がある
• 声部が少しずつ増えていく構造が心地よい
• 大げさすぎない清らかさがある
これは、パッヘルベルの性格そのものが音楽に反映されていると言えるかもしれません。
◆ パッヘルベルの本当の本領は“コラール作品”
「カノン」が有名すぎますが、
彼の本業はむしろ コラール前奏曲(賛美歌のオルガン曲) です。
特に有名なのは、
• 《いざ来たれ、異邦人の救い主よ》(YouTube)
他にもこんなに素敵な曲があります。
• 鍵盤楽器用の変奏曲集《アポロンの六弦琴(HEXACHORDUM APOLLINIS)》(YouTube)
どれも声部が自然に流れ、穏やかで、祈りのような静かな美しさを感じます。
バッハより一世代前の作曲家ですが、のちのバッハに影響を与えるほどの技術を持っていました。
◆ 「地味」と言われる理由は“派手さを求めなかったから”
パッヘルベルは、同時代の中でも堅実で控えめな作風でした。
• 感情表現は節度がある
• 和声は安定していて落ち着いている
• 目立つための派手な仕掛けは少ない
しかしその分、丁寧で誠実な音楽が積み上がっているのが魅力です。
「カノン」の静かな心地よさは、そんなパッヘルベルの人柄がそのまま音になったような存在です。
パッヘルベルの人となりが、少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。


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